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企業研究

 
就活に関する情報、アドバイスメールマガジン  2016/11/28 vol.7         
 
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     就活生が優良企業から内定獲得するための「新聞一日一読」
 
………………………………………………………………http://www.shukatsujso.com/
 
 こんにちは、山内です。
 前回11月24日付けの【おすすめ書籍】において、
 著作名を誤って表記しました。
 誤:齋藤孝著『日本字は何を考えてきたのか』祥伝社刊
 正:齋藤孝著『日本人は何を考えてきたのか』祥伝社刊
 
 齋藤様には、失礼申し上げました。謹んで訂正させていただきます。
 
 さて、来年から本格化する採用試験を意識したインターンシップが本格化してきました。
 会社を「知ってもらおう」とするインターンシップから、
 早いうちから有能な社員を囲い込みたいと、
 採用試験の1次試験免除など「特典」をつける企業も見受けられます。
 
 企業研究するためには、どしどしインターンシップで“出稽古”することをおすすめします。
 同時に業界・企業をよく調べることが大事です。
 では、どんな観点で企業をみればよいのでしょうか?
 
 担当する人事部の担当者の人がやさしいから…などと評価して、
 会社選びする人が例年見受けられます。気をつけましょう。
 あなたにだけ、やさしいのではないのです。早計です。
 
 人事の人がやさしくするには意図があります。
 他の会社よりも当社を選んでほしいから誰にでもやさしくしているのです。
 なにごとにも、客観的に相手の意図を読むように心がけましょう。
 
 私は、インターンシップ、参考文献で志望する業界を絞り込む企業研究では、
 それぞれの業界のトップクラスの複数の会社を較べながら決めることをすすめます。
 
 その際の、重要なポイントは、企業それぞれの「社風」
 (企業が唱える経営、商品・サービス化の考え方の基本をもとにした
 社員たちの動きの集積とその雰囲気)を知ること、
 「革新力」をみることをすすめます。
 
 例えば、
 コンビニエンス業界を取り上げてみましょう。
 デパート、スーパーマーケットなどを含めた流通・小売業界の視野からも、
 他の業界が伸び悩む中で、コンビニエンス(以下、コンビニと略す)業界は、
 20兆円産業となり、断トツの成長力を誇っています。
 今回のコンビニ記事では、
 ファミリーマート、セブンイレブン、ローソンの3強が限定商品を投入して、
 お客様の囲い込みを図ることを伝えています。
 
 限定商品のほか、PB(プライベート)商品開発を含めて、
 みなさんは、身近に利用していることから、
 常に商品・サービスが刷新していく様子を実感していますね。
 
 コンビニは、店舗あたり平均3,000~3,500の商品点数をそろえていますが、
 そのうち70%近くが1年間で入れ替わるそうです。
 その「革新力」の徹底には、目を見張ります。
 
 コンビニを日本に定着させた、
 セブンイレブン・ジャパン創業者である鈴木敏文前会長は、
 「お客様の立場で考えること」を徹底することで有名です。
 
 セブンイレブンでは、コンビニ本部と店舗のかけ橋役となるOFC(店舗経営相談員)を
 全国から全員集めて、会議を1ヶ月に2回実施しています。
 規模が3,000人以上であることに圧倒されますが、何よりもすごいことは、
 鈴木さんが40年以上、唱え続けていることを現在も忠実に実践していることです。
 
 それは、セブンイレブンの「社風」ともいえる、
 商売の4大基本原則
 「クリンリネス(清潔)」「フレンドリーサービス」「 鮮度管理」「品揃え」の
 基本に則って、戦略・戦術を練っています。4つの要素に沿って、
 経営・店舗経営が動いています。そこには、意に反することがあれば、
 即刻行動する厳しさがあります。
 
 鈴木さんは、休日に自ら店舗に寄って新商品の弁当を購入して
 「レベルが落ちている」「美味しくない」と判断した場合、
 即刻、その商品を全国から撤去させたそうです。
 また、大ヒットしたPB商品「金の食パン」は、
 ゴーサインの上で発売しているにもかかわらず、
 発売日に改良命令が出して、発売後6ヶ月間で3回も改良したそうです。
 
 なぜ、そこまで徹底するのでしょう。
 
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《目次》
 「新聞一日一読」…「企業研究」の方法を教えます
 1.【記事】
  ファミマ、「マルちゃん正麺」限定商品発売へコンビニ各社、
  大手とコラボで独自商品競う(産経新聞社11月26日(土))
 2.【キーワード】「差別化」を図る=優良企業であることの意味
 3.【ポイント】「差別化」のもとは企業の「社風」「革新力」を調べる
 4.【解説】
   優良企業であり続けるためには、
  「会社の社風(使命・理念)」のもと、バトンをつなげる
  「社員一人ひとりの革新しようとする姿勢と行動力」で決まる
 5.【おすすめ書籍】 
   ●鈴木敏文著『売る力─心をつかむ仕事術』文藝春秋新書刊
   ●鈴木敏文著『商売の原点』講談社+α文庫刊
   ●上坂徹著 『なぜ今LAWSONが「とにかく面白い」のか?』あさ出版刊
   ●日本経済新聞社編『200年企業1・2』日経ビジネス文庫
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  1.【記事】
    ファミマ、「マルちゃん正麺」限定商品発売へ
    コンビニ各社、大手とコラボで独自商品競う
    ファミリーマートは東洋水産の人気即席麺「マルちゃん正麺カップシリーズ」の
    自社限定商品を初めて29日から発売する。
    食品・飲料メーカーの人気シリーズの限定商品は他社との差別化が図りやすく、
    ファミマは来年までに、こうしたメーカーとのコラボ商品を倍増させる計画だ。
 
    コンビニエンスストア業界では限定商品の投入で顧客の囲い込みが活発化しており、
    競争が激化している。*(傍線、筆者)
 
    ファミマが自社限定品として発売するのはマルちゃん正麺カップシリーズの
    「至高の一杯 濃厚担担麺」(税込み298円)。 
 
    同シリーズでは、コンビニの限定品としても初となる。
     同シリーズは人気が高く、ファミマはこれまでも東洋水産に限定品の発売を
     持ちかけてきたが実現しなかった。
     今回、これを同社が了承したのは
     9月のサークルKサンクスとの統合祝いの意味合いがあるという。
  
    ファミマとサークルKサンクスは店舗数が約1万8千店まで拡大し、
     セブン-イレブンの約1万9千店に迫っている。
 
     ファミマ商品本部の永井雄一加工食品・飲料部長は
     「統合効果で今まで見向きもしてくれなかったメーカーとの商談が増えている」と話す。
  
    実際に統合以降、メーカーとのコラボ商品を約80品発売しており、
     「統合前の1・6倍のペース」(永井氏)という。
  
    ただ自社限定品の数ではセブン-イレブンがなお圧倒しており、
     統合効果を生かし、追い上げを図りたい考えだ。
  
    商品全体の半数以上を自社限定品で占めるセブン-イレブンも手綱を緩めていない。
     先月にはサントリービールの高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」の限定品を発売。
     今月下旬にもキリンビールの人気缶酎ハイ「氷結」シリーズから
     「氷結ストロングサワーレモン」を限定発売する。
  
    商品戦略を担当するセブン-イレブン・ジャパンの石橋誠一郎取締役は
     「今後も顧客に満足してもらうため限定商品を強化したい」と話しており、
     品ぞろえを充実させる方針だ。
  
    一方、店舗数など規模で大手2社と開きがあるローソンやミニストップは特色のある
     限定品を投入している。
  
    ローソンはヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)と共同開発したクラフトビールを発売する。
     ミニストップはチロルチョコのドリンクや、らあめん花月嵐と共同開発したラーメンや
     チャーハンなどを投入し大手2社に対抗する。
     コンビニ大手は自社主導でメーカーと共同開発するプライベートブランド(PB)を持っている。
  
    ただ、最近ではメーカー主導で人気ブランドとコラボした商品も積極的に投入しており、
     自社限定品の幅を広げて、さらに独自色を打ち出していく構えだ。
  
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  2.【キーワード】「差別化」を図る=優良企業であることの意味
     差別化する必要性…企業は、
     優良企業≒業界トップクラス企業≒お客様から支持される企業≒持続的成長企業であるため、
     他社との違いをいかに出せるか、競っています。
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 3.【ポイント】「差別化」のもとは企業の「社風」「革新力」を調べる
    「差別化」するためには、
 
   (1)開発、製造、購買、営業、間接・管理部門などの組織が一丸となって、
      情熱を持ち、同じ方向性にむけて新しい価値を創る意欲=社風
    
   (2)常にお客様のための立場に立って、「もっと便利に」「もっと美味しく」
      「もっとやさしく」を追求=革新力していくことが大切だからです。
      なぜなら、お客様は、おいしいと感じたお弁当を食べ続けると、
      それが当たり前になるから「成功は捨てろ」と鈴木敏文さんは述べています。
 
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 4.【解説】
 
   優良企業であり続けるためには、
    「会社の社風(使命・理念)」のもと、バトンをつなげる
    「社員一人ひとりの革新しようとする姿勢と行動力」で決まる
  
    みなさんの会社選びには「社風」「革新力」からアプローチしてみましょう。
  
    まず、皆さんの意識を押さえておきましょう。学生の「企業選び」の観点は、
     1位「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」38.4%
     2位「安定している会社」28.7%
     3位「社風がよい会社」17.4%
     4位「働きがいのある会社」16.0%
     5位「勤務制度、住宅など福利厚生のよい会社」13.4%
     6位「給料のよい会社」12.8%
     7位「これから伸びそうな会社」9.8%
     (「2017年卒マイナビ大学生就職意識調査」2016年4月より)となっています。
 
     みなさんの先輩たちは、
     2位の「安定している」、5位「待遇が良い」、6位「給料が良い」の項目は、
     好業績だからこそ実現できる要素を選んでいます。
      優良企業志向がみてとれます。
 
    さらに、7位は将来性を志向していることがわかります。
     つぎに、企業の動向です。企業信用調査会社の帝国データバンクでは、
     全国の企業を評価(100満点)して点数をつけています。
     財務状況を中心に事業履歴、資本構成・規模、損益、資金現況、経営者の資質などの
     項目から評価されます。1983年に点数が80点以上だった優良企業がその後、
     どうなったのか、分析しています。
  
    10年後の1993年も80点以上を維持した企業は50.5%。
     10年で半分になり、20年後の2003年も80点以上であったのは13.1%、
     30年後の2013年に80点以上だったのは、わずか6.4%に過ぎなかったのです。
  
    優良企業として長期にわたって成長を維持することが、大変難しいことが分かります
         (日経ビジネスオンラインの2013年11月7日の「徹底検証、会社の寿命」調べ)。
 
     では、業績を発展し続ける企業をどのように見分ければよいのでしょうか。
     これは難しいことです。優良企業を維持していても、何らかの理由で突然、
     活力が失われて短期間停滞したり、
     社会的に問題をひきおこすと取り返しのつかないことなど、
     予測不可能な要素があるからです。
     どんなに立派な会社でもリスクがあること、
     保証の限りではないことを前提にして考察しましょう。
  
    一つ目は、
      社風(企業文化)です。
      長年築き上げている優良企業は、社員の仕事への姿勢において、社員一人ひとりが、 
     経営の参加意欲のある、前向きな集団であり、
            どんな困難なことがあっても乗り越えようとする力が強いことからです。
  
     長い歴史の中で企業は「山あり谷あり」を繰り返していく中で、
      乗り切る力が大切です。当然、あなたも「当事者意識」を持ち、
      覚悟して入社する必要があります。
      みなさんも学校・大学のクラブ活動でも同様の経験をしたのではないでしょうか。
  
     それは、インターンシップで社員の話しから、ほとばしる情熱を感じ取ったり、
      創業者の精神、企業の歴史から見てとることができるでしょう。
  
    二つ目は、
      革新力(イノベーション)です。昨日までの成功は捨てて、
      常にお客様に向けて新しい価値を生みだして、商品・サービスを刷新しようとする、 
     あくなき挑戦する姿勢のある会社です。
  
    それは、社員一人ひとりが、
     会社の使命(ミッション、目的)・経営理念(ビジョン、あるべき姿)・価値(バリュー、信条)のもと、
     日々向上しようとする意欲を持って仕事に立ち向かっている意識が強いのです。
 
    こんなデータがあります。
  
    世界の長寿企業の56%が日本企業を占めている。
     世界中で創業200年以上の企業は5,586社あり、そのうち3,146社が日本企業です。
 
    2位が837社のドイツ、3位が222社のオランダ、4位に196社のフランスが続いています。
     (韓国銀行「日本企業の長寿要因および示唆点」2008年5月調べ)
  
    ちなみに、
     世界最古の企業は、578年創業の建設会社・金剛組、
     705年創業の温泉旅館・慶雲館、717年創業の同じく温泉旅館・千年の湯古まんと、
     ベスト3もすべて日本企業です。
 
     日本企業の長寿の秘訣は、創業者の精神を受け継いでいること、
     使命、経営理念を守り続けていることが一つにあげられています。
     時代の変化、社会のニーズとともに商品・サービスは、かたちを変えていきますが、
     会社の姿勢は普遍であるといえます。
 
     企業の使命・理念・価値観をもとにして、
            社員一人ひとりの革新力をどこまで持ち、進めようとしているか、しっかり企業研究してください。
 
     最後に…
 
    会社訪問でのおすすめは、
     面談者に質問する機会があれば、単刀直入に会社の「使命・理念・価値観」に対して、 
    どのように取組んでいるのか、話を聴くことです。聴く前には、事前に会社の生い立ち、 
    発展について調べておくことがマナーです。
     ただ、聞きだしてメモするだけではなく「深掘思考」して自分の考察内容をからめて
    質問できるようにしましょう。
 
     もうひとつは、
     会社のエレベータ、廊下などで社員のみなさんの雰囲気を感じ取るとよいでしょう。
 
     例えば、
      女性社員があなたとすれ違う時、無言で静かに会釈する中で凛とした姿勢が感じられるか、
      あるいは、社員が複数で話しあっている時に居合わせた時、
      イキイキして仕事に取り組んでいるか顔つきをさりげなく拝見するなどから、
      感じ取ってみてください。
  
    外部の人間の前で、好ましくない態度がみられたり、顔に生気がなく暗かったりすれば、
     その企業は、気をつけるとよいでしょう。「えっ!?うまく、感じ取れない…?」それは、
      一回、二回だけではわかりません。
      場数を増やしていくうちに、「人のみる目」が自然に養われていきますよ!
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 5.【おすすめ書籍】 
    ●鈴木敏文著『売る力─心をつかむ仕事術』文藝春秋新書刊
    ●鈴木敏文著『商売の原点』講談社+α文庫刊
    ●上坂徹著 『なぜ今LAWSONが「とにかく面白い」のか?』あさ出版刊
    ●日本経済新聞社編『200年企業1・2』日経ビジネス文庫
         ※鈴木さんの考え方は、コンビニ業界だけではなく、
      様々な業界に通用する商売を考える原点が学べますよ。
     ※奮起して、私がおすすめする書籍を購入したが、
      経済的に大変というお便りを頂きました。
      内容重視の人には、古本購入をおすすめします。低価格で購入できますよ。
 
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 ●著者 山内 康義(やまうち やすよし)
      就活スクールJSO代表 就活コーチ、就業能力開発・強化パートナー
      http://www.shukatsujso.com/instructors.html
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  ■発行者   : 就活スクールJSO 代表 山内康義
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塾長 山内康義